機材レビュー。
皆様はExperience Fuzzを知っていますか。
Experience Fuzzは知る人ぞ知る系の魅惑のオクターブファズペダル。
オクターブファズとしては有名だが、そもそものオクターブファズがニッチな世界。
その小さくも無限の可能性を感じさせる世界で、僕が最高傑作ではないかと思うエフェクターがExperience Fuzzなんです。
基本的な機能としては、まず普通のファズトーン、そしてオクターブファズ、そして本機特有のスウィルモード。
まずは一つ一つのモードをレビューしていきます。
普通のファズモードに関してはかなり使いやすいタイプの音だと思います。
いわゆる激ヤバ系ブチブチの音ではなく、どちらかと言うとオーバードライブさせたアンプにさらに過負荷をかけて飽和させたような音で、曲のどこにでも使用できそう。
そんな音がオクターブ化する事により、一気にブチブチ系のぶっ飛んだファズ音になります。
この毛羽立った音はバリバリ系のいわゆるジャパニーズファズの音に似ていて、スーパーファズ系だと感じました。
ただ一つ難点はファズモードとオクターブファズモードでは音量差があるところ。
そういった部分では僕のようにDAWで要所要所に使うのは問題ないですが、ライブでの切り替えは難しいんじゃないかと思わせました。
アンプで鳴らせばまた違うのかも知れませんね。
スウィルモードは弾いたフレーズが逆再生のようにぐちゃぐちゃにされて再現されるモードになっていて、所有していた間には曲のイメージを変える瞬間にフレーバー的に使用していた記憶があります。これが中々に良くて、未熟なオクターブ信者にとっては魂を震えさせる音を出してくれました。
PVでギタリストの晝海幹音さんがExperience Fuzzを踏み、ギターソロが始まる瞬間はえも言われぬ高揚感を与えてくれる。
そしてオクターブファズを使った流麗なギターソロ。
このギターソロもよくできていると思っていて、群青日和の切ないながらも都会的な世界観を完成させていると思います。
群青日和が今日に伝わる曲になるためには確実になくてはならないピースの1つがExperience Fuzzなんですね。
もう売ってだいぶ経ちましたが、それでもレビューを書いたのは忘れられない音だから。
一線で活躍するようなエフェクターではなかったですが、確かにこれでないと出ない音がそこにはありました。
初期のものはそもそも出物も少ないので、もはや再入手は叶わないかもしれませんが、ファズ好きとして、一度は触れてみる価値のあるファズだと思います。