YUUYのボカロ制作メモや徒然雑記

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Fender Mustangとは?解説&レビュー

今回はボクの一番好きなギターでもあるムスタングをより深く、使ったことがない人にも、使ってみようと思ってる初心者さんにも、全人類により興味を持ってもらいたいがために紹介していきたいと思います!!!

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Fender Mustangとは?

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Fender Mustang。

それはスチューデント向けのギターとして開発されたFender社のギター。

Fenderギターの生みの親であるレオフェンダーFender社において最後に設計、開発したギターでもある。

そんな出発点ではあったギターではあるが、現在ではグランジオルタナ系ギターのアイコニックな存在となっており、近年ではアニメなどでも活躍し、特定の層から熱烈な支持を受けているギター。

代表的な使用アーティストとしては、カートコバーン(Nirvana)、サーストンムーア(Sonic Youth)、グレアムコクソン(Blur)、Char、hyde等がおり、メインギターではないがパティスミスやジョンフルシアンテ等も使用している。

 

特徴

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・ショートスケール(609.6mm)

・ダイナミックヴィブラート

・特徴的なピックアップセレクト

・小ぶりなボディサイズ

スチューデント向けのギターなので、手の小さい子供にもたやすく扱えるようにショートスケールを採用。

また独自設計されたトレモロシステムを搭載しており、ストラトキャスターなどと比べても独特な操作感のトレモロがついている。

ピックアップセレクトにより、フロント、リア、シリーズ、パラレルの4種類の音が出すことが出来て、特にパラレル接続のフェイズサウンドムスタングの代名詞的なサウンドになっている。

ボディサイズが他のギターと比べても小ぶりになっており、体の小さい人物でも抱えやすい。

 

メリット&デメリット

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では以上の特徴を踏まえて、メリットとデメリットを使用してみた感想も踏まえて書いていきます。

メリット

1、ショートスケール故にコードの移動やストレッチフレーズが弾きやすい!

2、フェイズサウンドが癖になる!

3、強い個性のある音!特にフロントがめっちゃ太い!

4、ヴィブラートも特徴的な音が出る!

5、人と被りにくく個性が出しやすい!

6、かっこかわいい。

順番に解説していきます。

1、ショートスケール故にコードの移動やストレッチフレーズが弾きやすい!

ショートスケールなので、コードの移動や大きく指を開かなければならないフレーズが弾きやすい。その違いは、筆者もレスポールと持ち替えた時や他のFenderギターを弾くときは一フレット分の感覚のズレが出るくらい大きなもので、プレイへの影響が大きく、ネックの中を大きく移動しまくるプレイがやりやすい。

これはプレイの個性を出す上では大きなアドバンテージになると思います。

2、フェイズサウンドが癖になる!

パラレル接続の時の低音が少ないちゃきちゃきとしたサウンドは、他のギターには出せないサウンドであり、カッティングなどのプレイの際に映えるシーンがあり、癖になる。また、一聴してムスタングとわかるこのサウンドは個性も強く、替えが効かないという意味ではとても重要なものである。

また歪みとの相性も良く、若干ワウ半止めの音に似たような音になったりと、やはりカッティングやコード系のプレイに合う。

3、強い個性のある音!特にフロントがめっちゃ太い!

その構造上、歪みなどと合わせた際に出るガシュッ!ジュズバァ!ジュビィン!と食いつく、絡みつく、暴れまわる音はストラトなどでは出ないムスタングの唯一無二の音であり、大きな個性がある。またショートスケールが故に弦の振動が大きいように感じられ、特にフロントで弾いた際にはかなり低音が出る太い音が出る。これも他のギターでは出せないムスタングの”良い音”である。

4、ヴィブラートも特徴的な音が出る!

特徴的なヴィブラートのおかげで、そのショートスケールの弦が暴れまわるアームダウン、アームアップは曲のキメなどに多用したくなるような暴れ感がある。ズビュブーン!!という音が出る。ストラトなどでダウンチューニングして思いっきりアームを使ってみてほしい。それである。まあさすがにそれは構造も違うので言い過ぎではあるが、とにかく特徴的な音が出る。

5、人と被りにくく個性が出しやすい!

やっぱりストラトテレキャスなどと比べれば使用人口が少ない為、やっぱりちょっと珍しい。それでも近年は復権してきた気がするが。ジャスマスやジャガームスタングオフセットボディ勢。やっぱり個の多様性の時代だからだろうか、昔よりは多い。しかし、それでも少ない。ジャガー使いはもっと少ない。

6、かっこかわいい。

ムスタング以上にカッコよさと可愛さを兼ね備えたギターってほかにあんの?(個人差があります)

デメリット

1、チューニングはバリバリに狂う

2、弾きにくい

3、作りが荒いところもある

4、リプレイスメントパーツの選択肢が少ない

5、他のギターが弾きにくくなる

6、調整がムズイ

解説します。

1、チューニングはバリバリに狂う

強く弾く人だとチューニングはすぐ狂いますし、トレモロなんか使おうものならまず一発でチューニングが狂います。それはもうグチャグチャに。

Charさんなんかはチューニングが下がった分またアームアップしてあげる等、ムスタングなりの弾き方があり、弾いていれば自ずと対策できるようになるという様なことを語ってらっしゃいましたが、初心者や一般人にそれは酷だろう。

でも確かに体が慣れます。自然とチューニング狂わなくなるし。狂わせなくなるし。

2、弾きにくい

よくムスタングは一番弾きこなすのが難しいギターだ、と言われがちですが、確かに弾きにくいです、ムスタング。ショートスケールだから力が要らないとか、そんなこと実際は微々たる差で、それよりもハイフレットのフレット間の狭さとかピックアップセレクターの位置とかが原因で、ムスタング使いはムスタングなりの弾き方やフレーズの作り方を求められます。ストロークなんてムスタングに弾き方を合わせないと曲中にセレクター触って音出なくなったり、最悪スイッチに右手を血だらけにされます。

また、音もなまじ他の追随を許さないぐらいに特徴的なので、ストラトなんかと比べると、音は細くてペケペケするし、フェイズサウンドはクソみたいな音、低音は無駄に出るし、欲しいレンジの音は出てこない、しかもショートスケール故にサスティーンは短いと、悪いところは挙げればキリがないです。

それでもそこがいい!要は何でも使いようなので(←変態)

3、作りが荒いところもある

ムスタングは時期的にもFender混迷期直前のギターですので、ヴィンテージでもネックポケット周りがダメダメで、シムを入れたり、いろいろ対策をしなければならないことが多いです。このネックポケット周りの不調って致命的で、弦高やギターの鳴りなんかにも関わってきますし、変な調整だと弦高が全然下げれない、音がやけに詰まる、最悪ネックが反ります。

4、リプレイスメントパーツの選択肢が少ない

使用者が少ない分、やはりストラトテレキャスなんかと比べて、交換できるパーツの選択肢が少ないです。これは由々しき事態ですね。だって先に挙げたムスタングのデメリットを解決するためにパーツを交換しようと思ってもないんですもの。

でもそれがムスタングなのですから愛を持って弾きましょう。

というのはさすがに乱暴ですので、解決策を言うと、音に関してはなんだかんだリプレイスメントムスタング用ピックアップが出ており、それに乗せ換えるか、もしくはストラト用のものを乗せることもできます。有名どころではカートコバーンなんかはリアピックアップは必ずと言っていいほどハムかシングルサイズハムに交換していたようですね。

また、サスティーンについてもブリッジを変えたり、トレモロ固定化などで対策することもできます。ブリッジの交換先なら定番はチューンオーマチック化改造などもありますが工房持ち込みの改造になる可能性大です。パーツ単品であればマスタリーブリッジなんかもありますね。高いですが。

ちなみに僕は改造なしで弾く派です。愛です。

5、他のギターが弾きにくくなる

これは地味にでかいですね。ムスタングに慣れきってしまうとスケールの関係などもあり、ムスタングではスラスラ引けていたフレーズもストラトに持ち変えると弾けないという様な事態が起きます。完全に感覚で弾いていれば尚更、弦長の変化による弾きにくさは感じてしまう事でしょう。

また、ムスタング独特の弾き方になっているため、ブリッジミュートの仕方やカッティングの角度なんかが他のギターと合わなくなってきます。

例えばレスポールなんかは顕著であり、僕はレスポールは上からボディに沿ってストロークするギターだと思っているのですが、ムスタングではボディから放して弦に齧り付くようにして弾きます。また、抱えた際のボディの厚みも違います。その結果、僕はレスポールを弾くと、親指が血だらけになります。

解決策はなるべくいろんなギターを買って、いろんなギターを弾くことです。30分も弾けば体がそれぞれのギターに慣れます。

6、調整がムズイ

調整はムズイです。上記のネック角の話もあるし、それを差し置いてもとにかくブリッジの調整がムズイです。ブリッジ関係はトレモロがついているギターなら、それぞれムズかしいところがあるものですが、ムスタングに関しては資料も少なく、確たるセオリーもなく、また、弾きたいプレイや好みの設定によっては全く違うセッティングにしなければいけない。かつ、可動するブリッジに調整の難しいテールピース、高さ調整できないブリッジサドルとくればセッティングの追い込みに半日以上かけることもザラです。それがムスタングです。

また、一応、配線関係も他のギターより少し複雑です。めちゃくちゃ難しいわけではないですが、特殊なスイッチを使っている分、トグルスイッチ等とはまた別の知識が必要になります。

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おわりに

以上で僕の一番大好きなギター、ムスタングの解説を終わります。

僕の主観的な意見ではありましたが、もしかしたらムスタングを買おうかと迷っている方の役に立つかもしれません。そうなれば幸いです。

しかし、自分で書いていてなんですが、メリットよりデメリットの方が書くことが多いとは思いませんでした。

しかしそれでも、ムスタングはデメリットを補って余りあるほどに、個性的で魅力的なギターだと思います。

よければあなたもムスタングを使ってみてください。

 

ムスタングは愛ですよ!!!!